久々の "秀逸なるコラム" のご紹介です。
尊敬する宋さんの 「論長論短」より。
題して、「十年で流れが変わる」。
このかたの感性の鋭さには・・・感じ入ること多々ございます。
それでは、どうぞ!
「宋さん、勤続十周年の社員を祝いたいので言葉がほしい」。
ソフトブレーンの企画責任者からこんなメールをいただいた時、びっくりしました。
以前は社員の転職に悩まされていた私ですが、十年も居てくれた社員が現れたとは感無量です。
今日は自分の会社の話をするのではありません。
2010年を前に十年で世の中がどのくらい変わるかについて皆さんと考えてみたいと思います。
1989年、私はまだ北大の大学院の博士課程におりました。
日本経済は絶好の中にあり日経平均は3万5千円でした。
カラーテレビも贅沢品であった中国は天安門事件を起こし世界から孤立しました。
遅れていた経済がますます遅れると私も思いました。
この時、私は月8万円で生活する留学生でした。
1999年、世界はITバブルを謳歌し、日本経済もやっと失われた十年から回復する光が見えました。
日経平均も1万7千円に回復しました。中国は文化大革命へ逆戻りする心配は無くなりましたが、マイカーはごく少数の富裕層の贅沢品でした。
2000年、私が創業したソフトブレーンが東証マザーズに上場しました。
2009年、戦後最大の経済危機に世界が陥り、そして何とか「大恐慌」まで行かず生還しました。
日本は政権交代も実現し、念願の二大政党制を果たしました。
しかし、経済は構造的な不況から脱出する道筋が見えないままです。
世界の金融から隔絶してきた中国は
幸運でした。
中国の都会では自家用車が道に溢れかえり、8%の成長を維持しました。
私は創業した会社の経営から手を引き、24年ぶりに生活の拠点を中国に移しました。
2つの十年を日本と中国の間、そして生活者と経営者の間を生きてきた自分として「十年で流れが変わる」と実感したのです。
未来の十年間がどうなるかは予測できませんが、間違いなく言えるのは
これまでの十年と違う流れができるということです。
自信を失う日本ですが、十年後はすっかり自信を回復し、生き生きしているのではと考えております。
それは読者の皆さんへのお世辞ではなく、本当にそう思うのです。
なぜならば、「
十年で流れが変わる」からです。
中国の古い言葉に「十年河東、十年河西」というものがあります。
河の東岸に住む住民と西岸に住む住民が十年毎にその繁栄が入れ替わるというニュアンスの言葉です。
現在ではこの言葉は決して「繁栄が十年しか続かない」という意味ではなく、十年も経てば別の価値観と流れが出来てしまうということを意味します。
皆さんがご自分の会社やご家庭を冷静に観察していただければ気付くと思いますが、見た目が変わらなくても十年もあればすべてのものがすっかり変わっているはずです。
十年経っても変わらない発想と構造があるならば、それは間違いなく陳腐している発想と構造と考えたほうが無難でしょう。
年末年始にあたり、この少々乱暴な基準をもって経営者の口癖、評論家の持論、政治家の政策を点検すると如何に古い人が多いかに気付きます。
もちろん、我々自身も自己点検を忘れてはなりません。
ありがたい言葉ですが・・ただひたすら
希望だけを頼りに待っていては・・・
何一つ変わらないでしょう。
変えるためには・・・・自分自身が行動することです。
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